幸福をもたらすものはなにか 行動経済学では，経済の選択こそが人を幸福にすると考える．しかし財産や金銭に基づく幸福は，人間にとって真の幸福とはなりえない．では幸福をもたらすには何が必要となるのか．それは人が真に「善く生きる」というベクトルを持つことである．本書は哲学の歴史的研究を切り口に，「善く生きること」とカント哲学を探求する．

6,050円

善く生きることとカント…

3,631円

ニーチェ全集（第1期　第12巻）…

古代キリスト教世界における最大の教父アウグスティヌスはいったいどんな人間だったのか？主著『告白』を通して彼の生涯と思想を学ぶ。

2,200円

はじめてのアウグスティヌス…

本書の目的は，形而上学的な観想の生ではなく，日々の暮らしに汗する生の現場で哲学の意味を探求することである。18本の論文を一書にまとめ，善に関わる問題群に光を当てた十数年にわたる研究成果である。 「第1部　信念系の転換と知の行方」では，プラトン対話篇の読解を通して，客観的専門知の彼方にある知識を検討し，さらに領域的専門知ではない〈知を愛し徳を行う〉新たな知への転換が考察される。 「第2部　魂と《生のアスペクト》」ではアリストテレス『魂について』の諸相を，魂とは生きることの原理であるという視点から考察する。まず「存在するものとの出遭い」について表象と感覚をめぐって明らかにする。自体的感覚対象と付帯的感覚対象，固有感覚対象と共通感覚対象，そして形相とロゴスの関係，表象と身体運動，言語と認知能力など感覚から知への展開とともに，言語を媒介にして善く生きる意味が探求される。 「第3部　善き生の地平としてのフィリアー」では「善く生きる」とは徳の形成であり，その完成態としてフィリアー（友愛）を捉えたアリストテレス倫理学を通して，自己愛と友愛，「自分のため」と「相手のため」を繋ぐ共同体の形成原理を解明，現代倫理学への可能性を示唆。

7,700円

善く生きることの地平…

4,950円

神の存在論的証明新装版…

必然性を自由に創造する過程が、最も体系的かつ劇的に発動する領域が数学である。言語ゲームから数学の哲学へーウィトゲンシュタインの哲学を横断し、その核心に迫る。

3,300円

規則の力

難解なカントの思想を、その中心的な著作を軸に、フランス伝統の明晰かつ具体的な表現で解説。読者の「目線」に立ち、わかりやすさを追求したカント入門書。

2,640円

カントの哲学

歴史学、考古学、系譜学、言説、というフーコーの基礎理論から、科学や文化という分析対象への実践的応用へ。同時に、ブルーノ・ラトゥールのサイエンス・スタディーズへの入門としても最適。

3,300円

フーコーを使う

プラトンの『テアイテトス』は「知識とは何か」を探求した中期対話編である。 全体は「知識は感覚である」，「知識は真なる思いなしである」，「知識はロゴスを伴った真なる思いなしである」の三部より構成され，これら三つの定義の吟味を通して知識が問われるが，その探求は失敗に終わる。以来，現代に至るまで多くの哲学者によって「知識とは何か」が問われ続けてきたが，未だに解決を見ない哲学の難問である。 本書の伝統的解釈は20世紀初頭のコーンフォードをはじめオーウェンなどに代表され，そして今日ではバーニエットによる，イデア論を前提にしないで知識を物事の「総合的理解」であるとする考え方が多くの支持を得ている。 これに対し著者は従来の研究が『テアイテトス』全体の複雑な議論構成に必ずしも即していない点に着目し，議論構成を根拠に，一貫した視点からプラトンの視座を読み解くことにより新たな解釈を提示した。

5,280円

『テアイテトス』研究…

ソクラテス・プラトンにはじまり西洋２６００年の哲学を支配した「主観性の哲学」、プラトニズム。自己ならびに他者に対して常に告発的であらざるをえない主観性の原理は、西洋近代世界を決定づける発端となった。

1,430円

プラトニズム講義・4講…

日本カント協会 日本カント研究　No.18 2017年 ●シンポジウム　3.11後の「公共」とカントーーKant in Fukushima シンポジウム趣意（大橋容一郎） 現代の公共性とカントーーカントとともにあるものへの問題提起として（大橋容一郎） 手続きとしての公表性がもつポテンシャリティ（舟場保之） 〈3.11〉後の「公共」とカント的公共性との闘い（小野原雅夫） ●共同討議 I　カントと功利主義 共同討議 I 趣意（福田俊章） 帰結主義と「もしみんながそれをしたらどうなるか」（安藤　馨） 同じ山に異なる側から登るーーパーフィットの定言命法理解をめぐって（蔵田伸雄） ●共同討議 II　空間論から見たライプニッツとカント（ライプニッツ没後300年） 共同討議 II 趣意（犬竹正幸） ライプニッツ的空間はいかにして構成されるか？--クラーク宛第5書簡104節における「抽象的空間」をめぐって（稲岡大志） 『位置解析』の前に立つカントーー『方位論文』の切り拓いたもの（植村恒一郎） ●公募論文 判断はどのように対象と関わるかーーカントにおける単称判断とその意味論（五十嵐涼介） カントの「事象性」と「感覚印象」の理論ーースコトゥス的観点からの再検討（長田蔵人） 「生の哲学」としてのカント哲学ーー批判哲学における「快」と「生」（山蔦真之） 『判断力批判』における自然の体系的統一と合目的性（渋川優太） ●書評 増山浩人著『カントの世界論ーーバウムガルテンとヒュームに対する応答』（河村克俊） オノラ・オニール 著　神島裕子訳『正義の境界』（田原彰太郎） Robert B. Brandom, From Empiricism to Expressivism: Brandom reads Sellars（三谷尚澄） Hannah Ginsborg, The Normativity of Nature: Essays on Kant’s Critique of Judgment（竹山重光） 日本カント協会　2016年度会務報告 機関誌の原稿募集 日本カント協会濱田賞応募について 日本カント協会規約 日本カント協会への入会のお勧め 執筆者一覧

2,200円

日本カント研究　No.18…

演じる思想家・ニーチェのドラマトゥルギー的方法論とはなにか！？ニーチェの付けたさまざまな仮面のもとで現れる、ディオニュソス的唯物論。

2,860円

方法としての演技

中世哲学会 中世思想研究　第54号 2012年 【特別講演】 トマス・アクイナスの存在論（稲垣良典） 【論文】 プロクロス『悪の存立論』とそのキリスト教思想圏への浸透（西村洋平） アウグスティヌス『告白』の時間論が有する諸特徴についてーーアリストテレス，プロティノスとの比較から（山田庄太郎） トマス・アクィナスにおける創造の働きの固有性ーーペトルス・ロンバルドゥスの説をめぐる議論の発展史的考察（芝元航平） トマス・アクィナス『形而上学註解』におけるordoとpotentia（古舘恵介） 【研究論文】 マルグリット・ポレートと修道院神学ーー意志概念を手がかりとして（村上　寛） 特集　中世におけるプラトニズムI--教父時代から12世紀まで シンポジウム 〈序説〉（矢内義顕） 〈司会報告〉2011年度シンポジウムおよび特別報告について（水落健治） 〈提題〉アウグスティヌスとプラトニズム（松崎一平） 〈提題〉ボエティウスのプラトニズムーーアリストテレス注解の視点から（周藤多紀） 〈提題〉12世紀のプラトニズムーーキリスト教神学の自己確認とプラトニズム（中村秀樹） 特別報告 中世存在論におけるプラトニズムと超越概念（山内志朗） 【書評】 Heidl Gy?rgy, ?rint?s: Sz? ?s k?p a korai kereszt?ny misztik?ban（秋山　学） Kevin Corrigan, Evagrius and Gregory: Mind, Soul and Body in the Fourth Century（土橋茂樹） Loris Sturlese, Homo divinusPhilosophische Projekte in Deutschland zwischen Meister Eckhart und Heinrich Seuse（加藤希理子） 会報・規約・著作権規定 欧文要旨

3,850円

中世思想研究　第54号…

「ホモ・サケル」シリーズで権力作用の系譜をたどると同時に、現代の国家的暴力にも抗するアガンベン。長大な視野のもと、政治のみならず言語・倫理・芸術など無数の領域を横断するイタリア現代思想の核心に迫る決定版入門書。

2,640円

ジョルジョ・アガンベン…

２０世紀を代表する思想家が到達した哲学の全貌を、遺されたあらゆる言葉から描き出す。これは、現代という時代が宿した未来への哲学だ。

5,280円

エコゾフィーとは何か…

現代人にとって避けられない重要な課題を掘り下げ解決するための手がかり、「情感豊かな理性」の働きに依拠するカントの多元主義的な思想に見出し、従来のステレオタイプ化したカント像を見直す。最先端の現代思想家たちの問題提起と対比させて新たな読み方を提示した「現代カント入門」。

3,080円

カントを読む

主著『存在と時間』における共存在の内在的解釈を発端とし、1930年代までのハイデガーの学問観から本来的共存在を照射。さらに、有限性と共存在の批判的受容から、他者性と共同性の今後の展望を提示する。 序　論　「存在への問い」から「共に在ること」へ 　　第1部　存在への問いと共同性ーー『存在と時間』における本来的共存在への道ーー 第一章　存在の意味への問いと「破壊」 第二章　現存在と共存在 第三章　現存在の現象学ーー本来性への実存的変様と共存在ーー 第四章　現存在の開示性の諸構造における共存在的含意 第五章　日常性・非本来性における共同性 第六章　単独化の経験ーー先駆的覚悟性の諸相ーー 第七章　先駆的覚悟性と本来的な共存在ーー自己自身への促しとしての顧慮と他者の応答ーー 第八章　『存在と時間』の問題圏における本来的共存在の位置価 　　第2部　哲学と共同性ーー哲学、学問、大学への問いーー 第一章　大学から現事実的な生の問題圏へーー一九二〇年代における大学論の萌芽ーー 第二章　生を解明する発端としての自己世界 第三章　生に肉薄する哲学 第四章　根本諸概念の危機と克服 第五章　真理と共存在 第六章　有用性を超えた行為としての哲学 第七章　共に哲学する者たちとしての闘争共同体ーー大学改革論における哲学と共同性の問題ーー 第八章　哲学と諸学問との対話の行方 　　第3部　有限性と共同性ーー死と共存在の問題の批判的受容ーー 第一章　各私性と自己ーー「われわれ」の問題圏へーー 第二章　「われわれ」としての現存在の根源的な複数性 第三章　死と存在の回路ーー私の死から「われわれ」への道ーー 第四章　レヴィナスにおける非対称的な他者との邂逅ーー他者の死への応答責任を基礎とした社会ーー 第五章　限界上で生起する共同体ーージャン＝リュック・ナンシーにおける有限な共同体ーー 第六章　おのれを曝し合う者たちの共同性ーーバライユからブランショへーー 第七章　合理的な共同体を錯乱させる他者との邂逅 結　論　「共存在」の内と外

4,840円

ハイデガーにおける共存在の問題と展開…

3,850円

プラトーン著作集（第九巻　第三分冊）…

霊魂による肉体の統御が、宇宙の整合性とのアナロジーとして想定されていた２世紀のギリシア・ローマにあってガレノスは、霊魂の諸能力から、生命現象を発現させる生命力を、自然力と呼んだ。解剖と生理実験と臨床観察を通して、身体各部に内在する自然力が、健康と病気に直接関係あるとする、現代の医学思想にも通じる、実証精神と思索に充ちたガレノスの医学思想の本質を探る。『ガレノス・霊魂の解剖学』の姉妹編。初めて古代インド医学思想との関係を論じる。

6,600円

ガレノス／自然生命力…

古代から現代までエッセンスで読む哲学の名著２０冊。はじめて哲学を学ぶ人や再入門したい人など、誰もがどこからでも気楽に読める哲学入門。

3,080円

入門哲学の名著

『神学大全』の訳業をはじめ多くのトマス研究を世に問うてきたわが国を代表するトマス学者が，あらためてトマスの知恵の探求を考察し，その全体像を分かりやすく読み解く。 トマスは感覚で捉えられる自然・物体的事物の領域（現代の科学が研究領域としているもの）に関しては人間理性の自律を確立したが，知恵の探求が主として関わる人間精神（自己）と神の認識に関しては，信仰の光によって導かれると強調した。知的探求の領域を，人間理性だけでは十分に探求できない領域にまで拡大し，探求を徹底化して存在の真実に迫ったのである。 近現代思想は信仰と理性を分離し，経験的認識の可能な「自然」のみを実在と認めて「超自然」を知的探求から排除したが，それは信仰からの理性の解放ではなく，むしろ人間の「自我」への閉じこもりと理性の矮少化に他ならない。本書は現代の思想状況を念頭に置きながら，トマスとの対話を通して，その豊かな知恵の可能性を明らかにした，格好のトマス入門である。 はじめに 1　知恵の探求 1　探求の勧め（『対異教徒大全』I.2.1） 2　知恵の探求と幸福の追求（『神学大全』II-I.3.5） 3　知恵の卓越性（『神学大全』II-I.66.5） 4　知恵の探求と信仰（『対異教徒大全』I.5） 2　神とは何か知と不知 1　人間本性に植えつけられている神の認識（『神学大全』I.2.1.ad1） 2　自然理性による神認識（『神学大全』I.12.12） 3　不可知なる神（『ボエティウス・三位一体論註解』1.2.ad1，『福者ディオニシウス・神名論註解』7.4，『定期討論集・神の能力について』7.5.ad14） 3　創造について 1　「創造」とは何か（『神学大全』I.45.3） 2　なぜ神は万物を創造したのか（『神学大全』I.32.1. ad3） 4　トマスと天使 1　天使は実在する（『神学大全』I. 50. 1） 2　守護の天使（『神学大全』I. 113. 2） 5　自己知と自己愛 1　自己認識について（『神学大全』I.87.1） 2　愛徳(カリタス)としての自己愛（『神学大全』II-II.25.4） 3　自己愛と神愛（A）（『任意討論集』I.4.3） 4　自己愛と神愛（B）（『神学大全』II-II.26.3） 5　自己愛と隣人愛（『神学大全』II-II. 26.4） 6　幸福について 1　人間の究極目的（『神学大全』II-I.1.7） 2　人間は幸福でありうるか（『神学大全』II-I.5.1; 5.3） 3　万人が幸福を欲するか（『神学大全』II-I.5.8） 7　人間の自由について 1　人間は自由であるか（『神学大全』I.83.1） 2　悪を選択する自由（『真理について』XXII.6） 3　意志と神（『神学大全』II-I.10.4） 4　恩寵と自由意思（『神学大全』II-I.113.3） 8　トマスと政治 1　最善の政治形態（『神学大全』II-I.105.1） 2　「人は人にとって友である」（『対異教徒大全』III.117） 9　トマスのユーモア 1　真理と酒と帝王と女（『自由討論集』XII.14.1） 2　聖体の秘跡とねずみ（『神学大全』III.80.3.ad3） あとがき／索引

3,080円

トマス・アクィナスの知恵…

虚像・偶像を打破り、トマスの生涯と著作を解説、信仰と理性の関わり、哲学の自律性の問題、経験という言葉の新しい意味など、トマス哲学の現代的意義を説く。 はしがき 第一章　トマスの生涯と著作 　一　トマス哲学の課題 　二　幼年および修業時代 　三　第一回パリ大学時代 　四　イタリア時代 　五　第二回パリ大学時代 　六　ナポリおよび最後の旅 第二章　信仰と理性 　一　中世における信仰と理性 　二　トマスにおける信仰と理性の区別 　三　トマスにおける信仰と理性の総合 　四　『神学大全』の構造における神学と哲学 　五　神の認識における神学と哲学 　六　創造論における神学と哲学 　七　三位一体論における神学と哲学 第三章　存在と人間 　一　トマス哲学における「存在」 　二　「存在」への道 　三　判断と存在 　四　経験と存在 　五　存在と分有 　六　存在と類比 　七　人間と存在──むすび 第四章　人間と認識 　一　存在から人間へ 　二　心身論 　三　抽象の問題 　四　真理の概念 　五　確実性の問題 　六　知と愛 第五章　道徳思想 　一　神のかたどり(imago Dei)としての人間 　二　実践理性の概念 　三　目的の問題 　四　自由と悪の問題 　五　習慣と徳 　六　法と正義 　七　社会と人格 結び　トマスと現代思想 邦訳および参考文献 索引

3,080円

トマス・アクィナス　新装版…

神なしには何も存在しない。そしてまた、何ものも神ではない。「神は存在そのものである」という驚くべき真理が、聖トマスをめぐる思索の上に明らかにされる。中世思想の新古典。

3,300円

キリスト教哲学入門

1,980円

精神と生命

論理主義を実際に厳密に遂行する。基教・実数の全体系を、自ら考案した高階論理学から導き出そうとしたフレーゲの主著。

7,040円

フレーゲ著作集（3）

3,630円

プラトーン著作集（第九巻　第二分冊）…

ひらかれたフーコー思想の全貌。

2,750円

ミシェル・フーコー入門…

「常識哲学」の建設者リードと、新しい幾何学を発見した科学者にしてラディカルなユートピア論を構想した社会思想家リードの結びつきを問い、リードの知的体系の総体とそれが内包する現代性を明るみに出すとともに、新しい思想史の方法を拓いた力作。

5,280円

トマス・リ-ド

「諸々の道にして、諸々の所産に非ず」と言われるハイデガーの思惟を取り上げ、共に問い、時にハイデガー自身よりも徹底して問い抜いた思惟の記録。

3,190円

ハイデガ-と現代の思惟の根本問題…

膨大な遺稿を丹念に読みとき、サルトル思想の核心、不在のモラル論を再構築する。アンガジュマンから、自由、応答責任、贈与、共同体、ジェネロジテまで、サルトルからの呼びかけに、いま、大胆に応答する。

2,860円

〈呼びかけ〉の経験

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